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医学博士とシェフ/ソムリエの健康レシピ
ハーブを使った美味しい料理にワインを添えて病気の予防
<全12回>
第11回テーマ:
胃腸の不調その3「下痢」
- ハーブ:
- ジャーマンカモミール
- レシピ:
- ジャーマンカモミールのティー
下痢の原因である炎症を和らげる消炎作用をもつ成分はカマズレン
下痢の原因には、炎症などによる腸粘膜の障害によるもの、大腸の運動性が異常に高まることによるもの、毒素やホルモンなどにより粘液分泌が過剰になり起こるもの、高浸透圧性の飲食料を短時間にかつ大量に服用して起こるもの、脂肪などの消化吸収障害により起こるものがあります。感染性腸炎や過敏性腸症候群を除いた一般的な場合の下痢に効果を示すメディカルハーブについてご紹介します。
その下痢の原因である炎症を和らげる消炎作用をもつ成分はカマズレンです。このカマズレンを主要成分に持つメディカルハーブが、ジャーマンカモミールです。胃炎や胃潰瘍のときに用います。ジャーマンカモミールでつくったハーブティーを飲むことで、飲んだハーブティーは胃を通り胃の粘膜を保護するので、炎症が起こった部分に直接作用して効果的です。そのため、食前に飲むのがおすすめです。
イギリスの童話「ピーターラビット」では、お腹をこわしたピーターにお母さんがカモミールティーを飲ませる話が描かれています。嗜好品のハーブティーとして、世界に広く親しまれています。
カマズレンを主要成分に持つメディカルハーブ:ジャーマンカモミール
- 学名
- Matricaria chamomilla(マトリカリア カモミラ)
- 和名
- カミツレ
- 科名
- キク科
- 使用部位
- 花部
- 花の色
- 白色
- 主要成分
- 精油(α‐ビサボロール、カマズレン)、マトリシン、フラボノイド(アピゲニン、ルテオリン)
- 作用
- 消炎、鎮静、鎮痙、駆風
- 適応
- 胃炎、胃潰瘍、月経痛、皮膚炎
TIPS
カモミールは古くから万能薬として使われてきました。ドイツでは「母の薬草」、中国では「母菊」、フランスでは「貴婦人の花」と呼ばれ、民間薬として様々な国で親しまれています。ジャーマンカモミールのティーは今でも世界中で最も飲まれるハーブティーの一つです。西洋のメディカルハーブとしては、ローマン種よりジャーマン種を使用することが多いようです。
ジャーマンカモミールの安全性について
適切に使用する場合、クラス1に分類されます。
キク科アレルギーの人は注意が必要です。
ジャーマンカモミールを使ったおすすめのレシピ
ジャーマンカモミールのティー
作り方:
- 細かくしたジャーマンカモミールを熱湯で5分間抽出し、茶こしを使ってカップに注ぎます。